朝の雀
わたしの家には小さな庭があります。
そこに、ある日突然父が雀の止まり木を作りました。
その止まり木に毎朝ほんの少しだけ、お米を置いておくことにしたのです。
果たして、雀は来たのかというと。
来ました。
わずかなお米に、五、六羽が競って。
それは冬の話でした。
季節がめぐって、冬が過ぎ春になるともう雀はいくらお米を置いても来なくなりました。
やはり自然の食べものがいいんでしょうね。
考えてみると、人の置くお米に頼らないで雀が生きていけるのは、雀にとっても人にとっても幸せなことなのでしょう。